仏壇のお供えにおいて最も間違いが起きやすいのが宗派ごとの独自教義です。代表的な例として浄土真宗と曹洞宗の様式の違いが挙げられます。
浄土真宗仏壇お供え物置き方における最大の特色は、「茶湯器(水やお茶)を供えない」という点です。浄土真宗の教えでは、故人は亡くなるとすぐに極楽浄土へ往生し、浄土には「八功徳水(はっくどくすい)」という清らかな水が満ちているとされるため、現世の水をお供えする必要がないと考えます。その代わり、仏飯器を用いてご飯を山盛りに盛り付ける作法(本願寺派は蓮のつぼみ型、大谷派は円柱型の盛糟を使用)を重んじます。
一方、禅宗である曹洞宗仏壇お供え物並べ方では、「一汁一菜」に見られるような日々の食事の分かち合いを尊びます。お茶や水はもちろん、朝食にはお粥、昼にはご飯、季節の野菜など、私たちがいただく食事と同じものを「霊供膳(りょうぐぜん)」に盛り付けてお供えする習慣が色濃く残っています。高杯仏壇お供え物位置についても、本尊の正面を避けて左右対称に美しく配置する整然さが求められます。