旧安田系企業の中でも、特に不動産セクターにおける存在感は市場関係者から高く評価されています。東京建物と安田不動産は、それぞれ上場企業と非上場企業という異なる形態をとりながら、独自の強みを築き上げてきました。
1896年に安田善次郎が創設した東京建物は、日本で現存する最も歴史の長い総合不動産デベロッパーです。近年の東京建物は、東京駅東側エリアの大規模プロジェクト「東京駅前八重洲一丁目北地区市街地再開発」など、都心の超一等地における再開発を主導しています。現場の不動産関係者への取材では、「三菱地所や三井不動産に比べると企業規模は控えめだが、物件の質に対するこだわりと用地取得における粘り強さは業界屈指」という評価が一貫して聞かれます。
一方、一般消費者には馴染みが薄いものの、就職市場や不動産業界で「隠れた超優良企業」として名高いのが安田不動産です。同社は、GHQによって解散させられた安田保善社の保有資産(土地・建物)の管理・保全を目的として1950年に設立されました。
東京・神田錦町や日本橋など、歴史ある都心部に数多くの優良ビルを保有しており、賃貸収益による極めて強固なキャッシュフローを誇ります。転職クチコミサイトや社員の証言を見ても、「借入金依存度が極めて低く、倒産リスクが皆無に近い」「派手さはないがワークライフバランスと高水準の待遇が両立している」といった現場満足度の高さが際立っています。