一般的なスーパーマーケットではブリが日常的に特売される一方で、ヒラマサを見かける機会は限られており、並んでいたとしても明らかに高値がつけられています。この価格差の背景には養殖技術の難易度と漁獲量の絶対的な差があります。
ブリやカンパチは稚魚(モジャコ)の採捕から成魚への育成プロセスが完全に産業化されており、西日本を中心に大規模な養殖網が構築されています。年間を通じて均一な品質と安価な供給が担保されているのがブリの強みです。
一方でヒラマサは神経質な性格で生け簀の網に激突して傷つきやすく、病気にも弱いため養殖生産量が全体の数パーセントにとどまります。流通する多くが一本釣りや定置網による天然モノであり、漁獲量自体が極めて不安定です。高級寿司店や割烹料理店が先んじて高値で買い付けるため、一般の小売店頭に並ぶ頃にはブリの1.5〜2倍以上のプレミアム価格が定着する構造となっています。