原田美枝子のデビュー当時を振り返ると、1974年に15歳で出演した映画『恋は緑の風の中』での鮮烈な登場が記憶されます。大きな瞳と完璧な骨格、少女特有の無垢な透明感を放ちながらも、カメラの奥を射抜くような眼光の強さは、当時から並行して活動していた同年代のアイドルタレントとは明らかに一線を画していました。
彼女の才能が社会現象レベルで爆発したのが、1976年(当時17〜18歳)に連続公開された『大地の子守歌』(増村保造監督)と『青春の殺人者』(長谷川和彦監督)です。『大地の子守歌』では過酷な運命に翻弄される盲目の少女・りんを体当たりで演じきり、続く『青春の殺人者』では水谷豊演じる主人公の恋人役として、衝動と刹那に生きる若者の情動を生々しくスクリーンに焼き付けました。
当時の報道記録およびキネマ旬報のアーカイブによると、彼女はこの2作品によって10代にしてキネマ旬報主演女優賞、ブルーリボン賞新人賞、ゴールデン・アロー賞など、その年の映画賞を独占。映画関係者の手記や当時のインタビュー記事では「怪物のごとき10代が現れた」「美しさと情念が同居する奇跡のミューズ」と絶賛され、若手女優の頂点へと一気に駆け上がりました。ネット上で検索される昔の写真を見ても、修正技術のないフィルム時代だからこそ際立つ本物の骨格美と生々しい生命力を確認できます。