出雲市教育委員会および現地保存プロジェクトの発表によると、2026年2月に着工した旧大社駅の本館保存修理工事は、構造補強や屋根の葺き替え、破損部材の伝統工法による修復といった主要工程をクリアし、2026年内(秋頃を目標)の工事完了および一般公開再開に向けた最終フェーズに入っています。
当初の基本計画では2026年12月頃の完了が見込まれていましたが、建物を覆う素屋根を組んだ後に天井裏や構造躯体を詳細に調査したところ、大正13年(1924年)の改築から約100年が経過した木材の腐朽やシロアリ被害、構造的な歪みが想定以上に進行している事実が判明しました。文化財の保存修理では、単に新しい資材へ交換するのではなく、「創建当時のオリジナル部材を可能な限り残し、伝統的な継手・仕口で補修する」という極めて厳格なルールが存在します。この緻密な調査と手作業による修復工程を慎重に重ねた結果、安全性を完璧に担保したスケジュールへと調整されました。
2026年現在の現地の様子としては、駅舎全体を覆っていた長大な仮設素屋根の解体・撤去作業が進み、漆喰の白壁や優美な反りを見せる瓦屋根のシルエットが再び青空の下に姿を現しつつあります。外観の全貌が拝める機会が徐々に増えており、現地を訪れる観光客からも「ついに甦る姿が見えてきた」と期待の声が上がっています。