地上波放送の本編だけでは語り尽くせなかった黒島沙和の深層心理と過去は、Huluオリジナルストーリー『扉の向こう』過去編にて決定的なピースが提示されました。
高知で過ごした女子高生時代、黒島は自らの脳構造に異常があるのではないかと疑い、CTスキャン検査を受けています。その結果、他者への共感や罪悪感を司る脳の領域に欠損が見られることが示唆されました。家庭教師を務めていた大学院生の松井に対し、「どうして人を殺してはいけないのか」を数学的・論理的に問い詰めるシーンは、彼女の異常性が環境ではなく先天的・不可逆的なものであることを決定づけています。
さらに高知時代、南雅和(演:田中哲司)の最愛の幼い娘・穂香ちゃんが殺害された事件。これもまた、本編では決定的な証拠こそ語られなかったものの、『扉の向こう』の描写によって黒島沙和が手を下した最初の殺人であったことが確定的な事実として突きつけられます。
一方、2026年に公開された『あなたの番です 劇場版』では、「もしも住民会で菜奈ではなく翔太が出席していたら」「交換殺人ゲームが始まらなかったら」というパラレルワールドが描かれました。
船上ウエディングパーティーという閉鎖空間で発生した連続殺人の実行犯は、ドラマ版とは異なる浦辺優(早苗の夫・正志の元部下)や内山達生でしたが、その根底に存在していたのはやはり黒島沙和の不穏な影でした。劇場版のラストでも黒島は海へと身を投じ、その生存や動機に不気味な余韻を残す形で幕を閉じています。