新田真剣佑が綿谷新という役を射止めた背景には、映画関係者を唸らせた熾烈なオーディション裏話が存在します。アメリカ・ロサンゼルス育ちで卓越した英語力と空手の腕前を持っていた彼は、日本での本格的な俳優活動をスタートさせた直後、小泉徳宏監督がメガホンを取る『ちはやふる』の実写化プロジェクトに出逢いました。
オーディション現場に現れた彼は、圧倒的な透明感と日本人離れした端正な顔立ちでありながら、どこか孤高の静けさを纏っており、制作陣に「新が実在していた」と衝撃を与えました。しかし、決定後の道のりは決して平坦ではありませんでした。
福井で育ったかるたの神童を演じるため、彼は徹底的な役作りに身を投じます。福井弁のイントネーションを体に叩き込むため、方言指導の音声を四六時中聞き流し、現地・福井県あわら市へ実際に足を運んで街の空気感を肌で吸収しました。さらに競技かるたの特訓では、畳に膝を打ち付け、突き指や爪の割れに耐えながら1日何時間も札を払い続ける過酷な練習を敢行。撮影本番で見せた鋭い払いのフォームは、本職のかるた名人・関係者からも「完璧な新の構え」と絶賛される水準に達していました。