亜急性甲状腺炎は基本的に予後良好な疾患であり、治るまでの期間はおおむね2〜3ヶ月とされています。軽症例であれば非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:ロキソプロフェンやボルタレンなど)の内服で疼痛コントロールを行いながら自然軽快を待ちます。
一方、38度以上の高熱や激しい疼痛、広範囲の炎症が認められる重症例では、副腎皮質ステロイド薬(プレドニン)が極めて劇的な効果を発揮します。通常、プレドニン15〜30mg/日程度から開始すると、投与開始から24〜48時間以内に解熱し、首の痛みも急速に消失します。
ここで極めて注意すべきなのが、「症状が消えたからといって自己判断でステロイドを中止しない」という鉄則です。ステロイドは炎症を強力に抑え込んでいるだけであり、ウイルスによる組織破壊そのものを瞬時に治癒させているわけではありません。病勢が残っている段階で急激に減量・中止すると、ほぼ確実に炎症が再燃します。
亜急性甲状腺炎の再発・再燃確率は全体で約2〜5%程度ですが、その大半はステロイドの急激なテーパリング(減量)時に発生します。専門医の指導のもと、CRP値やエコー画像を定期的にモニタリングしながら、2〜4週間ごとに5mgずつ慎重に減量し、総計2〜3ヶ月かけて漸減・中止していく計画的な治療管理が不可欠です。