美しいエメラルドグリーンの見た目に反して、なぜ「グラスホッパー(英語でバッタ・キリギリス)」という昆虫の名前が付けられたのでしょうか。その背景には、アメリカのカクテル文化の豊かな歴史があります。
グラスホッパーの歴史と由来は、アメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズに実在する1856年創業の老舗レストラン&バー「トゥジャックス(Tujague's)」に遡ります。1919年頃、当時のオーナーであったフィリップ・ギッシェ(Philip Guichet)氏が、ニューヨークで開催された著名なカクテルコンペティションに出品するために考案し、見事第2位を獲得したレシピが原型とされています。
完成したカクテルの鮮やかで明るい淡緑色が、まるで草原を飛び跳ねる「緑色のバッタ(Grasshopper)」の体色を彷彿とさせたことから、このユニークな名前が命名されました。その後、禁酒法時代(1920〜1933年)を経てアメリカ南部を中心に愛され続け、1950〜60年代には洗練されたアフターディナー(食後酒)の定番として世界中のバーへ広まっていきました。