稀代のプロレスラー・アントニオ猪木氏が、現役生活に終止符を打ったアントニオ猪木 引退スピーチ。ドン・フライ戦を制した直後、リング上でマイクを握り、静寂に包まれた東京ドームで朗々と詠み上げたフレーズこそがこの詩でした。
まずは、猪木氏が実際にリング上で残したバージョンのこの道を行けばどうなるものか 全文を確認します。
【アントニオ猪木 朗読バージョン】
「この道を行けばどうなるものか
危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ
行けばわかるさ
ありがとー!」
この言葉が持つ核心的な教訓は、「結果を恐れて立ち止まるな」という行動の哲学にあります。フレーズごとに分解していくと、人間の深層心理に訴えかける構造が見えてきます。
冒頭の「この道を行けばどうなるものか」は、誰もが直面する将来への不安や疑問です。それに続く危ぶむなかれ 危ぶめば道はなしは、「先行きを不安視して躊躇していれば、拓けるはずの道すら消えてしまう」という強い戒めを意味します。そして、踏み出せばその一足が道となりという転回によって、道はあらかじめ用意されているものではなく、「歩む行為そのものによって後から形成される」という人生の本質を突いています。
最後の「迷わず行けよ、行けばわかるさ」は、頭の中でどれほど葛藤を繰り返しても答えは出ず、身体を動かして飛び込んだ者だけが真理に到達できるという、究極の実践主義を物語っています。