多くの人が混同しやすい天文学の疑問に、上弦の月と下弦の月の違いがあります。同じ半月(半円形の月)であっても、空に見える時間帯と方角は正反対です。日々の観測計画を立てる上でも、両者の決定的な差を把握しておく必要があります。
根本的な要因は、月の満ち欠けと公転周期にあります。月は地球の周りを約27.3日かけて一周(公転)しますが、地球自身も太陽の周りを公転しているため、新月から次の新月までの満ち欠けの周期(朔望月)は約29.5日となります。この運動に伴い、天球上を月は1日に約12.2度ずつ東へ移動するため、月の出入り時刻の計算を行うと、月の出と月の入りの時刻は毎日平均約50分ずつ遅れる計算になります。
この約50分のズレの積み重ねが、半月ごとの見え方に劇的な違いをもたらします。違いを視覚的に整理したのが以下の比較表です。
ここで疑問になるのが、満月が朝に見えない原因です。満月とは、地球を挟んで太陽と月が一直線に並ぶ状態(離角180度)を指します。太陽が東から昇る瞬間に、満月は真西の地平線へと沈んでしまいます。したがって、完全に日が昇りきった明るい朝の青空に、真ん丸な満月が高々と浮かぶことは天文学の配置上、絶対にあり得ません。朝の空高くに見える月は、必ず満月を過ぎて欠けた月になります。