側枝が順調に生長し、全体の草丈が30〜40cmを超えてくると、いよいよ本格的な収穫期に突入します。つるむらさきの収穫期間は長く、6月下旬から初霜が降りる直前の10月下旬まで、およそ4ヶ月間にわたって新鮮な葉を食卓に供給し続けてくれます。
美味しさと次の収穫量を両立させる収穫時期と葉の摘み方には、明確な作法が存在します。収穫スタイルは主に以下の2通りです。
- 若芽・新梢収穫(王道テクニック):伸びてきたつるの先端から15cm〜20cm(葉が3〜4枚付いた状態)の柔らかい部分を、ハサミで茎ごと切り取る方法です。先端を収穫すること自体が次の「摘心」の役割を果たし、切った直下の節から次世代の孫づるが2本分岐してきます。「収穫すればするほど枝数が増える」というサイクルを生み出す基本手順です。
- 大葉摘み取り収穫:株元の大きく広がった葉だけを、葉柄の根元から1枚ずつ手で折り取る方法です。光合成を担う主力を残しつつ、下葉の密集による蒸れを解消したい場合に併用します。
つるむらさきは驚異的なスピードで葉と茎を再生し続けるため、消費する土壌エネルギーも膨大です。ここで怠ってはならないのが追肥のタイミングと肥料選びです。植え付けから約3週間後、最初の収穫が始まったタイミングから追肥プログラムを稼働させます。
肥料は、葉や茎の成長を強力に促すチッ素(N)分を中心に、根を強めるカリ(K)がバランスよく配合された肥料を選定します。化成肥料であれば「チッ素・リン酸・カリ=8-8-8」の普通化成肥料を、2〜3週間に1回、1株あたり軽くひと握り(約10〜15g)株元から少し離れた用土表面にばらまき、土と軽く混ぜ合わせる「中耕(ちゅうこう)」を行います。即効性を求める場合やプランター栽培では、規定倍率(500〜1,000倍)に希釈した液体肥料を週に1回、水やり代わりに施用するルーティンが極めて高いレスポンスを発揮します。肥料が切れると途端に葉の色が褪せ、茎が細くなって成長がストップするため、定期的な補給が生命線です。