時代が平成から令和へと進むにつれ、櫻井のビジュアルには大きな転換点が訪れました。最大の転機となったのは、2006年10月の『news zero』キャスター就任です。報道番組のアンカーとして政治家や被災地、国際紛争の現場を取材する立場となったことで、誰からも信頼を得られる「清潔感ある黒髪ショート」が基本スタイルとして定着しました。
しかし、俳優としての活動においては、そのパブリックイメージを鮮やかに裏切る柔軟性を見せてきました。櫻井翔のドラマ役作りと髪色の関係を紐解くと、作品のテーマに合わせて綿密にビジュアルがコントロールされていることがわかります。
代表的な例が、2002年のドラマ『木更津キャッツアイ』でのバンビ役(明るいブラウンの無造作ヘア)や、2003年『よい子の味方 〜新米保育士物語〜』での太陽先生役(親しみやすいナチュラルブラウン)です。さらに2009年の『ザ・クイズショウ』ではミステリアスな陰影を帯びたスタイル、2013年『家族ゲーム』では冷徹さと狂気を孕んだタイトな黒髪マッシュなど、演じるキャラクターの心理状態を髪型一つで巧みに表現し分けてきました。