冷しゃぶの仕上がりは、選択する豚肉の部位や、牛肉を使用するかどうかによっても最適な調理設計が異なります。
【豚ロース肉と豚バラ肉の違い】
あっさりとした上品な味わいを楽しみたい場合は「豚ロース肉」が適しています。ただし、ロースは赤身の割合が高いため加熱による硬化が起きやすい部位です。75℃以下の低温キープか片栗粉コーティングが必須となります。一方、「豚バラ肉」は脂質の融点の影響を最も強く受けます。しっかりと75℃前後で余分な脂を落としつつ、決して冷やしすぎない(氷水厳禁)ことが美味しく食べる鍵です。
【牛肉で冷しゃぶを作る場合の茹で方の違い】
牛冷しゃぶを作る場合、豚肉よりもさらに繊細な温度管理が求められます。牛肉のミオシンは50〜60℃で変性し、火が通り過ぎると急速に硬くなります。また、牛脂の融点は約40〜50℃と豚脂よりも高いため、冷やすとさらに固まりやすい特性があります。牛肉の場合は65〜70℃程度の低温の湯で数秒間サッと泳がせる程度にとどめ、引き上げた後は完全に常温で休ませ、温かいタレやおろしポン酢で和えるのが鉄則です。