インターネット上で頻繁に目にするのが「スポーツドリンクは糖分が多すぎるから水で2倍に薄めて飲むのが正解」という説です。この言説には一部の真実と、見過ごせない重大な落とし穴が存在します。
確かに、市販のポカリスエット(糖質約6.2%)やアクエリアス(糖質約4.7%)を水で薄めると、浸透圧が下がって「ハイポトニック(低張液)」に近づき、激しい運動中の胃からの排出速度は速くなります。しかし、水で薄めることで同時にナトリウム(塩分)濃度も半減してしまう点に注意しなければなりません。
大量の発汗時に塩分濃度の薄すぎる水分を大量摂取すると、血液中のナトリウム濃度が急激に低下し、「自発的脱水(水分を摂っているのに身体が水分を排出しようとする現象)」や「低ナトリウム血症(水中毒)」を引き起こす危険性があります。もし薄めて飲む場合は、水ではなく市販のハイポトニック専用粉末を使用するか、薄めた水1リットルあたり食塩を約1〜2g程度追加するのが生理学的に正しい対処法です。
また、日常的に水分代わりにスポーツドリンクをガブ飲みし続けると、急激な血糖値上昇とインスリン過剰分泌を引き起こす「ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)」のリスクが高まります。デスクワーク中や普段の生活での水分補給は、水や麦茶を基本とすべきです。