順風満帆に見えるキャリアですが、その足跡は決して平坦なものではありませんでした。光と影を経験したからこそ滲み出る人間的な深みが、現在の彼女の表情を形作っています。
芸能界入りのきっかけは2004年、DHC主催の映画『アダン』ヒロインオーディションでした。3,074人の応募者の中から見事ヒロインに選ばれ、2006年の映画公開時に18歳で女優デビューを飾ります。同年のNHK連続テレビ小説『功名が辻』にも出演を果たし、華々しいスタートを切ったかに見えました。
しかし、20代前半を迎えた頃、持病であったアトピー性皮膚炎の悪化や仕事に対する重圧が重なり、芸能活動の一時休止を余儀なくされます。当時の手記や振り返りインタビューによると、芸能界から完全に身を引き、ファミレスの接客、チラシ配り、病院の受付事務など、多彩なアルバイトを掛け持ちしながら市井の生活を送っていました。この「約3年間の空白期間」こそが、彼女の地に足の着いた生活感覚と人間観察力を養う貴重な原体験となります。
転機が訪れたのは23歳の時でした。現事務所の社長から「やる気があるなら戻っておいで」と声をかけられ、再び表現の世界へ戻る決意を固めます。そして2011年、23歳で出演した「ちふれ化粧品」のテレビCMで、ほぼノーメイクに近い圧倒的な美肌と凛とした佇まいを披露し、瞬く間に「あの透明感あふれる美女は誰か」と世間の注目を集めました。同年のドラマ『蜜の味〜A Taste Of Honey〜』や翌年のNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』への出演を経て、本格的な再ブレイクへと突き進んでいきました。