報道各社の現地特派員リポートやロイター通信の試合速報によると、この試合は親善試合の枠組みを超えた緊迫感に包まれていました。イングランド代表にとってもワールドカップ本大会へ向けた最終選考の場であり、ハリー・ケインやジュード・ベリンガムといった主軸がスタメンに名を連ねていました。
試合序盤は、イングランドが8万人を超える大観衆の後押しを受けてボールポゼッションを高め、日本陣内に押し込む展開が続きました。前半の日本のボール支配率はわずか36%。しかし、森保一監督が整備したコンパクトな「5-4-1」のミドルブロックは、イングランドのインサイドハーフに自由な楔のパスを一切許しませんでした。
勝負が動いたのは後半13分(58分)でした。中盤中央で相手の横パスをカットした遠藤航が、ダイレクトで前線のスペースへスルーパスを供給。これに反応した三笘薫が、持ち味の急加速ドリブルでイングランド代表右サイドバックを翻弄し、ペナルティエリア左角から右足を一閃。強烈なカーブを描いたボールは、名手ピックフォードの指先をかすめてゴール右隅のサイドネットへ突き刺さりました。
先制を許したイングランドは、残り15分からフォーメーションを前がかりに変更し、怒涛のクロス放り込み作戦を展開。スポーツナビの試合経過テキストでも「日本は残り15分あたりからミドルゾーンではなく、ゴール前で耐える苦しい場面が続いてしまう」と描写された通り、バイタルエリアへの猛攻が続きました。しかし、センターバック陣の決死のヘディングクリアと、GK鈴木彩艶の鋭い飛び出しによって完全にシャットアウト。試合終了を告げる笛が鳴り響いた瞬間、ウェンブリーはアウェーサポーターの歓喜の叫びと、地元ファンの静まり返るどよめきに包まれました。