中国経済の根幹を揺るがしている最大の震源地が、長年GDPの約4分の1を支えてきた不動産市場の歴史的崩壊です。中国不動産問題の現在は、大手デベロッパーの相次ぐ破綻危機から地方都市のゴーストタウン化、さらには未完成のまま放置された「爛尾楼(工事中断マンション)」の処理問題へとフェーズを変え、国民の資産形成に致命的な打撃を与えています。
かつて中国の一般家庭は、資産の約7割を不動産に投資していました。住宅価格が右肩上がりに上昇し続けることを前提とした信用取引が限界を迎えた今、資産価値の激減に直面した国民は一斉に財布の紐を固く閉ざしました。これこそが、深刻な中国デフレ不況の理由に他なりません。耐久消費財の価格下落や外食・小売りチェーンによる極端な価格破壊戦争が常態化し、消費者の購買意欲が失われる悪循環が定着しています。
こうした構造疲労は金融市場に直接波及しました。上海や香港の株式市場で起きた中国株価急落の決定的な理由は、単なる一時的な景気循環ではなく、不動産セクターの巨額負債処理に関する抜本的な解決策が見出せないことに対する市場の絶望です。政府による公的資金の投入や相場維持策も買い支えの域を出ず、持続的な買い戻しには至っていません。家計と企業が借金返済を最優先し、投資や消費を切り詰める「バランスシート不況」の深沼にはまり込んでいるのが実情です。