辞書を引くと「案内する=guide」と真っ先に表示されます。観光ガイド(tour guide)や登山ガイドという言葉があるように、guideという動詞は「知識や土地鑑のない不慣れな人を、手取り足取り導く」という強い支配的ニュアンスを内包しています。
これをそのまま大人のビジネスパートナーやクライアントに対して「I will guide you to the meeting room.」と使ってしまうと、相手は「まるで子ども扱いされているようだ」「道も分からない無力な人間と見なされたのか」と不快感を抱くリスクが生じます。対等なプロフェッショナル同士のやり取りにおいて、guideは非常に座りの悪い表現なのです。
また、日本語の「ご案内」は物理的な移動(場所への案内)と、抽象的な情報提供(詳細の案内、日程の通知)の両方を1つの言葉でまかなえる非常に便利な高文脈(ハイコンテクスト)言語です。対して英語は、物理的誘導なのか情報の伝達なのかによって完全に動詞が分岐します。この根本的な構造の違いを把握しないまま機械翻訳に頼ることが、ビジネス現場での失礼な英語を生み出す最大の温床となっています。