鉛筆の芯に鉛はゼロ?成分の真相と安全性・シャー芯との違いを徹底解明

鉛筆の芯に鉛はゼロ?成分の真相と安全性・シャー芯との違いを徹底解明

鉛筆の芯に鉛はゼロ?成分の真相と安全性・シャー芯との違いを徹底解明の疑問点について、専門知識を基に徹底解説します。

市販されている鉛筆の芯は、黒鉛単体でできているわけではありません。黒鉛の粉末に、天然の微粒子「粘土」を混ぜ合わせ、水と共に練り上げた後、細い棒状に押し出して約1000℃〜1200℃の高温で焼き固めることで作られています。この製法は1795年にフランスの化学者ニコラ・ジャック・コンテによって確立されたもので、現代の鉛筆製造の基礎となっています。

鉛筆の硬度記号(9H〜6B、あるいは10H〜10B)は、この「黒鉛と粘土の配合割合」によって正確にコントロールされています。

  • H系統(Hard):粘土の割合を増やすことで芯を硬く、筆跡を薄く仕上げる。製図や細密画向け。
  • B系統(Black):黒鉛の割合を増やすことで芯を柔らかく、筆跡を濃く仕上げる。筆圧の弱い児童用やデッサン向け。
  • HB / F:一般事務や学習用に最適な硬度と濃さのバランスを追求した黄金比率。

一般的なHB鉛筆の場合、成分比率は黒鉛が約60%〜65%、粘土が約35%〜40%の割合で調合されています。さらに、焼き固めた後の芯には、筆記時の滑らかな滑りと適度な定着性を生み出すために、植物性油脂や鉱物油、パラフィンワックスなどの特殊オイルを含浸させる後処理が施されます。

日本を代表する最高峰の鉛筆として知られる三菱鉛筆の「ハイユニ(Hi-uni)」では、黒鉛と粘土の粒子を極限まで微細かつ均一に揃える特殊技術が用いられています。粒子と粒子の隙間が完璧に均一化されているため、10Hから10Bまでの全22硬度において、引っかかりのない圧倒的になめらかな書き味と、折れにくく濃密な描線を実現しています。この技術力は世界中のアーティストや文具ファンから極めて高い評価を受けています。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。