「ヒューマン・ネイチャー」の影響力は、ポップス界だけにとどまらず、90年代以降のヒップホップ/R&Bカルチャーの血肉となって受け継がれました。
その代表格が、女性R&BグループSWV(Sisters With Voices)が1992年に放った大ヒット曲「Right Here (Human Nature Remix)」です。このSWV サンプリング 元ネタ 経緯には、ニュージャックスウィングの創始者テディ・ライリーの手腕がありました。原曲の美しいシンセリフとマイケルのボーカルフレーズを大胆にサンプリングしたリミックス版はビルボードチャートを席巻し、90年代ストリートカルチャーのアンセムとなったのです。さらに、ラッパーのNasがヒップホップクラシック「It Ain't Hard to Tell」(1994年)で本曲をループさせたことも、ブラックミュージックにおける本作の神格化を決定づけました。
ステージ上でのパフォーマンスにおいても、この曲は特別な輝きを放ち続けました。ファンの間で語り草となっているヒューマンネイチャー ライブ 歴代名演を振り返ると、ツアーごとに異なる演出の妙が際立ちます。
- Bad World Tour(1987-1989年):激しいダンスナンバーが連続する中盤、マイケルがステージ上でジャケットを緩め、スポットライト1本の中で見せたドラマティックなパフォーマンス。アドリブでフェイクを重ね、原曲以上にソウルフルに歌い上げる姿は圧巻でした。
- Dangerous World Tour(1992-1993年):ブカレスト公演に代表されるように、スタジアムを埋め尽くした数万人の大観衆が一瞬で静まり返り、マイケルのささやきに耳を澄ませた伝説的ステージ。
- 『THIS IS IT』リハーサル(2009年):急逝直前のロンドン公演リハーサル映像。マイケルは激しいステップを踏みながらも、キーを一切下げることなく、透明感あふれる美声でこの曲を歌い上げました。スタッフから「マイケル、喉を温存してください」と制止されても、曲の世界に没入して歌い続けた姿は、世界中のファンの涙を誘いました。