世界中のフットボールファンに「アジアの躍進」を強烈に印象づけたのが、日本代表が成し遂げた歴史的番狂わせである。ドイツ、スペインという歴代王者と同組になったグループEは、組み合わせ抽選の段階で「死の組」と称され、日本の突破を予想する海外メディアはごく少数にとどまっていた。しかし結果は、強豪2国からいずれも前半にリードを許しながら後半に2-1で逆転勝利を収めるという快挙であった。
サッカー日本代表ドイツ戦勝利の理由、そして続くカタールW杯日本対スペイン逆転劇の真相は、決して「偶然の幸運」や「精神論」によるものではない。現場関係者の証言と分析データが示すのは、森保一監督とコーチ陣による冷徹なまでのゲームマネジメントである。前半は失点を最少限に抑えるミドルブロックを敷き、相手に持たせることで体力を消耗させる。そして後半、堂安律、三笘薫、浅野拓磨ら攻撃的な切り札を次々に投入して5-4-1システムへ可変し、前線からのハイプレスで一気に牙を剥いた。
世界的な議論を呼んだスペイン戦での「三笘の1ミリ」も、最新技術と執念が交差した象徴的シーンとなった。エンドラインをボールが完全に割っていたか否か、VARの計測チップと高精度カメラ画像によって「わずか1.88ミリ」がインプレーと判定された瞬間は、デジタル時代におけるスポーツの新たな基準を提示した。森保ジャパンベスト16進出の評判は国内外で一気に跳ね上がり、個々の選手の能力向上に加え、ベンチワークを含めた26人の総力戦モデルが世界水準で通用することを証明した。