「薫風」の持つポテンシャルに着目し、地域の固有資源として再定義する自治体やローカル起業家も増えている。高知県の馬路村や和歌山県の紀州エリアでは、柚子やクロモジ、紀州檜などの間伐材から抽出した和精油(エッセンシャルオイル)を用いた地域ブランディングが奏功している。
新緑の時期に合わせて開催されるマルシェでは、地元の蒸留所で抽出されたばかりのみずみずしいボタニカル香料が並び、都市部から訪れる人々を魅了する。単に特産品を売るのではなく、「その土地の空気を持ち帰る」という新しい消費体験が成立しているのだ。地域の林業振興や環境保全活動にも収益が還元される持続可能なサイクルが、若手事業者の手によって加速している。