天網恢恢疎にして漏らさずの本当の意味とは?老子の真意と使い方を徹底解説

天網恢恢疎にして漏らさずの本当の意味とは?老子の真意と使い方を徹底解説

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この言葉のルーツは、紀元前古代中国の道家思想の祖とされる『老子』(道徳経)第73章にあります。漢文の原文と書き下し文は以下の通りです。

【原文】天網恢恢 疎而不失
【書き下し文】天網恢恢(てんもうかいかい)たれば、疎(そ)にして失(うしな)わず。

『老子』の原文では「漏らさず」ではなく「失わず(失せず)」と書かれていました。これが後世の歴史書『魏書』任城王伝などで「疎にして漏らさず(疎而不漏)」と引用され、現在の成句として定着した経緯があります。

興味深いのは、老子が意図した本来の思想です。老子は厳しい刑罰や人為的な道徳で民を縛ることを否定し、「無為自然(あるがままの自然の摂理に従うこと)」を重んじました。つまり原典における天網とは、人間が作った厳罰主義の法律ではなく、「大自然の大きな調和の法則」を指しています。「人間があくせく制裁を下そうとしなくとも、自然の理によって自ずと万物は収まるべき場所に収まる」という達観した世界観が根底にあるのです。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。