レクサスというブランドの根幹には、開発コード名「F1プロジェクト(Flagship 1)」のDNAが今も息づいている。ここでいうF1とはモータースポーツの最高峰ではなく、「世界最高のフラッグシップカー」を意味する社内プロジェクト名だ。4,000人以上の技術者と数千台の試作車が投じられ、妥協なき実験が繰り返された。
従来の高級車は、車体が重くなればエンジンパワーでねじ伏せ、走行音は厚い遮音材で抑え込むのが常識だった。しかし技術陣は、音の発生源そのものを極限まで削ぎ落とすという逆転の発想に挑んだ。エアロダイナミクスの追求からエンジン内部の摩擦低減まで、すべての数値を突き詰めるアプローチだ。このプロジェクトで培われた粘り強い技術革新の姿勢は、現在の高度な安全運転支援システムや電動化技術の礎となり、グローバルな自動車産業全体に測り知れない影響を与え続けている。