注目を集めたのは、若手実力派俳優たちの鬼気迫る演技だ。警備員役を務めた神尾楓珠は、暗闇の中で徐々に追い詰められていく男の心理状態を、息遣いや微細な目の動きだけで表現してみせた。灯りの消えた廊下を懐中電灯一つで進むシーンの緊張感は、観る者の息を止めさせるほどの破壊力を持っていた。
一方、山下美月が見せた恐怖の表情も秀逸であった。どこにでもいる日常の日常風景が、一転して逃げ場のない恐怖の空間へと変貌していくプロセスのなかで、絶望を浮かべる瞳の描写が際立っていた。演者の真に迫ったリアクションこそが、視聴者の没入感を決定づけた要因と言えるだろう。