国際通貨基金 (IMF) が発信する世界経済見通し (World Economic Outlook) や世界銀行 (World Bank) の最新レポートは、日本に対して極めてシビアな視線を投げかけている。少子高齢化という抗いがたい人口動態の逆風が、今後の潜在成長率をさらに押し下げると予測されているからだ。
人口が急減する国が一人当たりの豊かさを維持するためには、労働生産性を爆発的に引き上げるほかない。ところが、IMFの警告にもかかわらず、日本の労働市場改革や企業のデジタルトランスフォーメーションは遅々として進まない。労働力の硬直性と、過去の慣習にしがみつく産業構造が、成長の足枷になり続けている。
世界銀行が警鐘を鳴らすのは、持続的な人的資本投資の欠如だ。教育、リスキリング、科学技術研究への大胆な投資なくして、高付加価値を生み出す人材は育たない。ランキングの数字を他山の石として受け流し、小手先の景気刺激策でお茶を濁し続けるならば、私たちは数年後、さらに深い階層へと沈み込んだ自国の姿を目撃することになるだろう。