朝起きてリビングの床を見た瞬間、黒い点のような虫が群がっている光景を目撃したとき、多くの人は「どこから湧いたのか」と困惑します。戸建て住宅だけでなく、気密性が高いはずの鉄筋コンクリート造マンションの高層階であっても、黒蟻の侵入被害は後を絶ちません。害虫防除の現場データによると、室内に侵入する黒色系の微小アリは、主に以下の3種類に大別されます。
まず警戒すべきは、体長約2ミリ前後のルリアリです。全体に黒くかすかな光沢を持つこのアリは、自然界では樹皮の隙間などに営巣しますが、近年都市部で深刻化しているのがルリアリによる家電被害です。ルリアリは閉鎖的で適度な温もりがある空間を好む習性があり、エアコンの室外機、給湯器の電子基板、パソコン、Wi-Fiルーター、配電盤の隙間などに好んで侵入します。基板上でショートを引き起こし、高額な家電を故障させる事故が多発しており、決して見過ごせない脅威となっています。
次に、体長2.5〜3.5ミリほどのトビイロケアリです。この種は甘い蜜や糖分を求めて屋内に侵入することが多く、トビイロケアリの発生原因の多くは、庭の植栽についたアブラムシの甘露や、キッチンにわずかに残った調味料の拭き残しです。湿気を含んだ木材や風呂場の壁内、基礎の隙間に巣を拡大する性質があり、放置すると家屋の木材腐朽を進行させるリスクを孕んでいます。
また、黒色というより褐色から暗褐色で体長わずか1.5ミリ程度のヒメアリにも注意が必要です。極小サイズゆえに網戸の網目やわずかなサッシの隙間を軽々と通り抜けます。特に警戒すべきはヒメアリが噛む危険性です。非常に攻撃的な一面を持ち、就寝中の人間の皮膚やペットを咬害することが知られています。噛まれるとチクッとした鋭い痛みとともに発赤やかゆみが生じ、アレルギー体質の人や乳幼児にとっては深刻なストレス源となります。