日本においてこの詩篇が絶大なインパクトをもって迎えられたのは、1973年のことだ。ルポライターの五島勉が執筆した解説書が、株式会社祥伝社から刊行されるやいなや爆発的なヒットを記録した。高度経済成長の陰りでオイルショックや公害問題への不安が蔓延していた社会情勢も追い風となり、ミリオンセラーを達成する金字塔となった。
この一冊は単なるベストセラーにとどまらず、日本の出版業界全体の潮流を激変させた。終末論や怪奇現象を扱う書籍が本屋の棚を埋め尽くし、若者たちの間ではノストラダムス現象が一大トレンド化。情報が限られていた時代背景も手伝い、活字が持つ圧倒的な説得力が日本人の集団心理を強く揺さぶった時代の象徴と言える。