ふたりのボクサーが歩んできた道のりは、まさに日本ボクシング史そのものである。WBC(世界ボクシング評議会)やWBO(世界ボクシング機構)といった主要国際団体のベルトを幾度となく腰に巻いてきた両者。その圧倒的な実績が、この対決を単なる一試合ではなく「世紀の一戦」たらしめている。
井上尚弥は軽量級の常識を次々と塗り替え、圧倒的な破壊力で世界4階級制覇を達成。WBC、WBO、WBA、IBFの全4団体王座を完全統一し、世界のリングにその名を轟かせた。スピード、パワー、ディフェンス、どれをとっても穴のないパーフェクトなボクシングスタイルは、まさに世界最強の証明だ。
一方の中谷潤人もまた、フライ級、スーパーフライ級、バンタム級と無敗のまま階級を駆け上がり、高いKO率を誇る左サウスポーとして世界から恐れられてきた。長身から繰り出される角度のあるストレートと、戦況を冷静に分析する冷徹なリングIQ。WBCやWBOの主要ランキングでも常にトップを走り続け、井上の王座を脅かす唯一無二の存在として浮上してきた。