「この麺は、どんなキャンバスにもなれる完璧な白だ」
パリの三つ星レストランでシェフを務めるジャン=リュック・モロー氏は、そう絶賛する。近年、海外のトップシェフたちがこぞって日本の麺文化を取り入れているが、中でもこの白い蕎麦への注目度は群を抜いている。
ガツンと主張する一般的な蕎麦と違い、雑味が削ぎ落とされた風味は、キャビアやトリュフ、洗練されたコンソメスープとも見事に調和する。和食の枠を飛び出し、フレンチやイタリアンの文脈で「新たな食感のイノベーション」として扱われているのだ。海外からの美食家たちが日本の老舗やモダン蕎麦店に行列を作る光景は、もはや日常となった。