ドラマ版『今日から俺は!!』が日曜夜の放送枠で二桁視聴率を連発し、見逃し配信でも歴代最高記録を更新するなど社会現象となった背景には、福田監督による周到なキャスティング戦略と現場の演出術が存在します。
主人公・三橋貴志役に賀来賢人さんを抜擢した経緯について、関係者の証言やインタビューによると、福田監督は賀来さんが持つ卓越した身体能力とコメディセンスを早くから高く評価していました。当時、主役級としての決定打を模索していた賀来さんに対し、福田監督が「お前を絶対に売れっ子にしてやる」と声をかけ、全幅の信頼を置いて主演に据えたという熱いエピソードはファンの間でも語り草となっています。
また、ツッパリコンビの相棒・伊藤真司役には当時ネクストブレイク筆頭だった伊藤健太郎さん、スケバン・早川京子役には橋本環奈さんが起用されました。特に橋本環奈さんが見せた、普段の可憐なビジュアルを完全にかなぐり捨てた白目や怒号の怪演、伊藤の前でだけ見せる極端なブリっ子演技の落差は、SNSを中心に爆発的なバイラル効果を生み出しました。
現場におけるアドリブ演出の真相について、キャスト陣が特番やインタビューで語ったところによれば、台本に書かれたセリフをこなした後の「カットがかかるまでの数十秒間」こそが福田組の真骨頂でした。三橋の父を演じた吉田鋼太郎さんや、担任教師役のムロツヨシさん、軟葉高校の校長役の佐藤二朗さんといった「福田組常連俳優」が仕掛ける容赦ないアドリブに対し、若手陣が必死に笑いを堪えながら打ち返す現場の緊張感とグルーヴが、画面越しに圧倒的な熱量として視聴者へ伝播したのです。