家庭で精肉店やスーパーのぼんじりを扱う際、「お店で食べるような上品な味にならず、なんだか生臭い」と失敗するケースが多発します。その原因の9割は、「油壺の下処理」と「骨抜き」の不備にあります。プロの料理人が実践する絶対不可欠な下ごしらえ工程をステップ順に解説します。
ステップ1:悪臭の元凶「油壺(尾脂腺)」を完全切除する
ぼんじりの裏側(平らな面)をめくると、中央付近に黄色〜乳白色をした米粒大の丸い油脂の塊が2個並んでいるのが確認できます。これが油壺です。この器官には鳥特有の強い獣臭と独特のエグみが凝縮されており、加熱しても溶けきらず異臭の元になります。包丁の刃先を油壺の付け根に差し込み、肉をえぐりすぎないよう指で押し出しながら丁寧に切り落とします。
ステップ2:軟骨(尾骨)を抜くか残すかの見極め
ぼんじりの中央には、二股に分かれた硬い尾骨(突起状の軟骨)が埋まっています。居酒屋風の豪快なコリコリ食感を楽しみたい場合は残しても構いませんが、小さな子どもがいる家庭や、口当たりの滑らかさを最優先する場合は骨抜き下ごしらえが必須です。骨の両脇に浅く包丁を入れて骨を浮かせ、キッチンペーパーや骨抜きプライヤーでしっかりと挟んで引き抜くと、驚くほど簡単に処理できます。
ステップ3:酒と塩による脱水・臭み取りのコツ
油壺と骨を除去した肉には、細かな羽毛の残りや余分な血合いが付着しています。ボウルにぼんじりを入れ、全体重量の1%程度の粗塩と料理酒(大さじ1〜2)を揉み込んで5分ほど放置します。浸透圧によって内部の生臭い水分が浮き出てくるため、流水で手早く洗い流し、清潔なキッチンペーパーで水分を徹底的に拭き取ります。このひと手間で、肉の臭みは完全に消失します。