キノフィルムズが配給を手掛けた本作は、カンヌ国際映画祭の公式セレクションに選出されるなど、国際的にも極めて高い評価を獲得した。日本の特別養子縁組制度という極めてドメスティックな題材を扱いながら、なぜこれほどまでに世界中の映画人の心を捉えて離さないのか。
それは、本作が単なる社会派の告発にとどまらず、人間が根源的に抱える「他者と繋がる歓びと痛み」を描き切った至高のヒューマンドラマだからに他ならない。自然光を巧みに操る撮影技術、過度な劇伴を排した静謐な音響設計。日本映画が誇る繊細なクラフトマンシップと普遍的な作家性が完璧に融合した金字塔として、今なお国内外で熱狂的な支持を集めている。