プロ通算1000安打を達成し、2020年に野球選手としてのキャリアに一区切りをつけた石川が選んだ次の舞台は、誰もが息を呑む場所だった。社会人アメリカンフットボールのトップリーグであるXリーグ「ノジマ相模原ライズ」への加入である。
30代半ばを過ぎてからの異種競技挑戦。しかも、ヘルメットと防具越しに凄まじい衝撃が交錯するコンタクトスポーツへの転向は、常識では考えられない無謀な試みと見なされた。ポジションはワイドレシーバー(WR)。俊敏性とキャッチ力が求められる激戦区で、石川は新人のように泥にまみれ、分厚いプレイブックを頭に叩き込んだ。野球で培った動体視力とダッシュ力を武器にフィールドを疾走するその姿は、安全な道を選ばないチャレンジャーとしての生き様を強烈に物語っていた。