2021年に発生した大型コンテナ船エバーギブンの座礁事故は、わずか1隻の立ち往生が世界中の貿易を停止させる現実を突きつけた。この苦い教訓を踏まえ、エジプト政府はすれ違い航行領域を増やす新スエズ運河拡張プロジェクトを推進し、ハード面の安全対策を急ピッチで進めてきた背景がある。
インフラの物理的な能力向上は達成されたものの、地政学的リスクによる通航不能という事態に対しては、ハード面の補強だけでは不十分であることが証明された。物流の安定には軍事的・政治的な安定が不可欠であるという現実が再認識されている。