公選法の厳格すぎる規制は、常に憲法第21条が保障する「表現の自由」との間で激しい摩擦を引き起こしてきた。これまでも最高裁判所は、戸別訪問の一律禁止や文書図画の頒布制限をめぐり、選挙の公正と平穏の保持を理由に合憲判決を積み重ねてきた経緯がある。
司法の立場は一貫して「金権選挙の防止と選挙の公正」を最優先としてきた。だが、通信コストが限りなくゼロに近づいたデジタル環境において、紙の印刷物を縛る論理をそのまま画面上のテキストや動画に当てはめることには、法学者からも強い疑義が呈されている。表現の自由を過剰に縛る規制は、現職の権力者を利し、新たな挑戦者の声を封殺する結果を招きかねないからだ。