1987年、オリジナルミュージカル『アイ・ガット・マーマン』で突如として演劇界のフロントラインに躍り出たとき、彼を単なるラッキーな新鋭とみなす者もいた。だが、その独創的な空間の使い方とリズム感は、海を越えた巨匠の耳目を瞬く間に引きつけることになる。
ミュージカル界の巨星スティーヴン・ソンドハイムに見出され、2004年に東洋人演出家として初めてブロードウェイの地を踏んだ『太平洋序曲』。ホリプロとのタッグでも話題を呼んだこの作品は、トニー賞4部門にノミネートされるという歴史的快挙を成し遂げた。西洋の形式美に日本の伝統芸能の様式美をぶつけ合わせ、全く新しい舞台言語を生み出す手腕は、目の肥えたニューヨークの批評家たちを唸らせた。