目の前に横たわる歯舞群島や色丹島。晴れた日には、目視で家屋や建造物の輪郭までも捉えられるほど近い。この近さが、日本の戦後史が抱える「北方領土問題」のリアルを鋭く問いかけてくる。
岬の敷地内に立つ「北方館・望郷の家」では、領土の歴史や当時の島民の暮らしを伝える貴重な資料が展示されている。北方領土問題対策協会などの啓発活動の拠点としても知られ、望遠鏡越しに故郷を眺める元島民の胸中を思えば、単なる観光を越えた深い学びが得られるはずだ。歴史の波に翻弄された人々の思いが、いまもこの施設に静かに息づいている。