作品ジャンルの進化も、作家への負担を爆発的に増大させている要因だ。近年の少年漫画や、緻密な世界観を描くダークファンタジーにおいては、読者が求める画力の基準が著しく向上した。圧倒的な描き込み、迫力あるアクションシーン、エフェクトの複雑化は、1ページあたりにかかる制作時間を倍増させている。
美麗なグラフィックと重厚なシナリオを両立させるため、作家はアシスタントを増やさざるを得ないが、前述の通り原稿料は据え置きのままだ。特に背景や怪物などの描写に多大な労力を要するファンタジー作品では、描けば描くほど作家の手元に残る利益が削られるという矛盾が拡大している。