当時の制作舞台裏には、知られざる過酷なエピソードが隠されていた。過密を極める撮影スケジュールと連日のテレビ出演により、浅香唯の喉と体力を極限まで削り取られていたのだ。ボーカルレコーディングの当日、彼女のコンディションは決して万全と言える状態ではなかった。しかし、マイクの前に立った瞬間、彼女の中に宿るプロ意識が爆発した。
スタジオの緊張感は最高潮に達し、かすれ気味の声を振り絞るようにして歌い上げられたテイクには、計算では作れない本物の切なさと力強さが宿った。後にライブの裏話として明かされたところによれば、あまりの激しさにレコーディング直後はしばらく立ち上がれなかったという。満身創痍の中で命を吹き込まれたからこそ、この曲には聴く者の魂を揺さぶる凄まじい鬼迫が漂っているのだ。