SNSや大手Q&Aサイトでは、定期的に「有名レシピ通りに作ったのに大失敗した」「油まみれで胸焼けした」といった投稿が拡散し、プチ炎上とも呼べる議論が巻き起こります。こうした失敗の背後には、レシピの文面だけでは伝わりにくい調理科学的な落とし穴が存在します。
第一の誤解は、「エビを揚げてすぐ熱々のうちにソースと絡めてしまうこと」です。マヨネーズは卵黄、油、酢が絶妙なバランスで乳化された半固体状のエマルションです。65℃以上の高温にさらされると乳化が破壊され、油分が分離して透明な脂の海と化してしまいます。「火を止めたフライパンの中で和える」「揚げたてを直接ボウルに放り込む」といった手順を踏むと、確実にベチャベチャの油っぽい仕上がりになります。
第二の盲点は、下処理における「保水と臭み抜き」の不徹底です。単に水洗いするだけでは、エビ表面のアミン系揮発性臭気成分を除去できません。現場のプロ調理師が実践する「塩・片栗粉・水で揉み洗いした後にしっかり水気を拭き取る」工程を省略すると、どんなに高価な調味料を使っても生臭さが残る結果となります。