2022年の第73回NHK紅白歌合戦において、特別企画で披露された「君といつまでも」と「海 その愛」。満場の拍手に包まれたあの圧巻のパフォーマンスが、加山雄三さんのラストステージとなりました。なぜ歌唱力が健在なうちに引退を決意したのか、その理由にはプロフェッショナルとしての確固たる美学がありました。
加山さんは引退に際し、「声が出なくなって惨めな姿を見せるのではなく、ベストな歌声を届けられるうちにステージを降りたい」という趣旨の思いを明かしています。80代半ばまで第一線でシャウトし続けたからこそ、ファンの記憶に最高の「若大将」を焼き付けたまま幕を引く。この潔い幕引きこそが、多くの人々に深い感銘を与えた決定的な理由でした。