「毎月の訓練をこなしていれば、いざという時も大丈夫」という思い込みは危険です。実際の火災現場では、もうもうと立ち込める黒煙、視界不良、サイレンの音、熱気といった極限状態が瞬時に園舎を包み込みます。訓練通りの動きができるかどうかは、日頃のシミュレーションがどれだけ現場のリアルに即しているかにかかっています。
形式的な訓練で終わらせないために必要なのは、「想定外をあらかじめ組み込む訓練」です。例えば、いつも使っているメインの避難階段が煙で塞がれている想定や、主幹保育士が不在の状況など、条件を厳しく設定することで初めて職員個々の臨機応変な判断力が養われます。子どもの命を守る防波堤となるのは、マニュアルの暗記ではなく、現場で即座に優先順位を判断できる生きた防災力です。