どんなに立派に育て上げても、収穫のタイミングを誤ればすべてが台無しになります。さつまいもの収穫適期を見極める絶対的な指標は「日数」と「積算温度」です。
さつまいも収穫時期の見極め方における黄金基準は、植え付け完了からの「120日〜140日」、そして日平均気温を合計した「積算温度2200℃〜2500℃」の到達です。5月中旬に植えた場合、9月下旬から10月下旬がまさに収穫の適期となります。外観上のサインとしては、青々としていた下葉が少しずつ黄色く色づき始めたタイミングがベストです。
収穫作業は、土がしっかりと乾いている「晴天が2〜3日続いた日」を狙って決行します。湿った土の状態で掘り起こすと、イモの表面に傷がつきやすく、貯蔵中にカビや腐敗菌が侵入する原因になります。掘り上げたイモはその場で半日ほど天日干しして表面の土を乾燥させます。
そして、最も重要な工程が「追熟(キュアリング・熟成)」です。掘りたてのさつまいもはデンプンがまだ糖化しておらず、甘みがほとんどありません。土を水洗いせずにつけたまま、新聞紙で1本ずつ包んで通気性の良い段ボール箱に入れ、室温13℃〜15℃前後の暗所で2週間から1ヶ月間保管してください。イモ自身の持つ酵素(β-アミラーゼ)がデンプンを麦芽糖へと分解し、驚くほど濃厚な甘さとねっとり食感へと昇華します。
【プロの結論】さつまいも栽培に向いている人・慎重になるべき人の判断基準
植物生理の特性を踏まえると、家庭菜園におけるさつまいも栽培には明確な向き・不向きが存在します。
【さつまいも栽培が向いている人】
- 平日は仕事で忙しく、水やりや追肥などの毎日の手間を極力減らしたい人
- 日当たりと風通しの良い畑や広めの庭を確保できる人
- 収穫後すぐに食べるのではなく、適切な追熟期間を楽しみに待てる人
【慎重な対策が必要な人・おすすめできない環境】
- 日照時間が1日3時間未満の極端な日陰環境(光合成不足でイモが太りません)
- 過剰に手をかけすぎて、毎日水や肥料を与えてしまう人(つるボケを誘発します)
- 水はけが極端に悪く、雨が降ると何日も水が溜まる粘土質の土地(35cm以上の超高畝と土壌改良が必須)