天竜区を象徴する雄大な天竜川は、長野県の諏訪湖から太平洋へと注ぐ日本屈指の大河川ですが、大雨時には牙を剥く暴れ川へと姿を変えます。特に上流や山間部で激しい雨が降った場合、現地の頭上が曇り空程度であっても、時間差で上流の水が押し寄せ、河川敷が一気に濁流に呑まれる事故が過去にも繰り返されてきました。
気象レーダーをチェックする際は、現在地だけでなく天竜川上流域にあたる長野県南部や北遠の山々に強いエコーがないかを監視する視点が欠かせません。スマートフォンで確認できる浜松市天竜区の雨雲レーダーでは、5分ごとから10分ごとの高解像度降水ナウキャストを用い、線状降水帯の予兆や急激な積乱雲の発生ラインをリアルタイムで追跡することが極めて有効です。
河川沿いでのレジャーや通行において最重要となるのが、国土交通省や静岡県が配信する天竜川水位情報です。天竜川本川には船明ダムや秋葉ダム、佐久間ダムといった巨大な治水・発電ダムが連なっており、上流の雨量が一定基準を超えるとゲート放流が開始されます。放流警報のサイレンが鳴り響いた段階で河川敷に留まることは自殺行為に等しく、警報が鳴る前であっても水位計の急激な上昇トレンドを確認した時点で水辺から即座に退避しなければなりません。
さらに山地崩壊の危険が切迫した際に出される浜松市天竜区土砂災害警戒情報は、土砂崩れによる物理的な被害だけでなく、唯一の避難路である主要道路の遮断を意味します。静岡県や気象庁から浜松市天竜区警報注意報が発令された段階で、すでに山沿いでは地盤の緩み始めている警戒水準にあると捉えるのが、現地を熟知する防災関係者の共通認識です。