死滅回游の終盤、羂索の最期は読者の予想を遥かに超える形で訪れました。彼を討ち取ったのは、お笑い芸人呪術師・高羽史彦(たかばふみひこ)と、現代の異能・乙骨憂太による完璧な連携です。
高羽の術式「超人(コメディアン)」は、自身が「ウケる」と確信したイメージを現実に投影し、あらゆる理不尽な攻撃を無効化する規格外の能力でした。羂索は千年の知識を総動員して高羽の術式構造を分析し、力でねじ伏せるのではなく「相手より面白いネタを披露してお笑い欲を満たす」という前代未聞の漫才対決に身を投じます。
知的好奇心の塊であった羂索は、高羽とのハイレベルなお笑い空間を心から楽しんでしまい、千年の生涯で初めて「満足感」を得た瞬間に決定的な隙を生じさせました。
漫才が幕を下ろした刹那、潜伏していた乙骨憂太が背後から超高速で肉薄。羂索は術式を発動する間もなく、首を一刀両断されて切断されました。頭部だけになっても意識を保っていた羂索は、自らの敗北を認めつつも「私の意志は受け継がれる」と言い残し、天元と同化する総則(ルール)の権限を伏黒恵(宿儺)へと譲渡して完全に絶命しました。
【プロの結論】「知的好奇心の暴走」が招いた必然の結末
羂索の敗因を物語構造から分析すると、彼を最強たらしめていた「知的好奇心」そのものが最大の弱点となったことが分かります。他者の感情や倫理を徹底的に排除し、実験結果だけを追い求めてきた男が、最後は「笑いという最も人間的な感情のコミュニケーション」に没頭したことで討ち取られた点は、極めて皮肉で完成された因果応報の構図と言えます。