「9月の韓国は秋晴れで涼しい」という一般的なイメージは、半分正しく、半分は危険な思い込みです。韓国気象庁(KMA)の長期観測データと近年の気象推移を照らし合わせると、ソウルにおける9月の気温は1か月の中で劇的な変化を遂げることが浮き彫りになります。
まず、韓国の9月上旬の気温は、日本(東京や大阪)の晩夏とほぼ同じ熱気を帯びています。日中の最高気温は28℃〜30℃近くまで上昇し、アスファルトの照り返しも強烈です。日差しはジリジリと肌を焼き、日中は半袖1枚で汗ばむ陽気が続きます。ところが中旬を境に大陸からの乾いた高気圧が張り出し始めると、韓国の9月下旬の気温差は一気に牙を剥きます。日中は23℃前後の心地よい爽快感に包まれるものの、日が沈んだ瞬間に放射冷却が働き、ソウルの9月における最低気温と最高気温の開きは10℃〜15℃以上に達します。下旬の朝晩は最低気温が12℃〜14℃、冷え込む日には10℃近くまで冷え込むケースすら珍しくありません。
日本の東京周辺であれば、10月中旬から下旬にかけて徐々に体験する秋の深まりが、韓国ではわずか数週間のあいだに急勾配で訪れます。この「月内での急変」こそが、多くの旅行者がパッキングを誤り、風邪を引いてしまう最大の原因です。