日本支部である「JAPAN MENSA」の入会試験は、常に熾烈なクリック戦争から始まる。会場型のテスト日程が公開されるや否や、数分で予約枠が蒸発する現象は今も変わらない。
試験内容は徹底して非公開だ。言語や文化的知識に左右されない図形行列などのマトリクス問題が中心とされるが、過去問や公式テキストは存在しない。小手先の受験テクニックを排除し、純粋な流動性知能をあぶり出すためだ。受かる人間は対策なしで通過するし、届かない人間はいくら準備しても弾かれる。
さらに受験者を緊張させるのが「生涯で受けられるのは3回まで」、しかも「一度不合格になると次回まで1年以上のインターバルを空けなければならない」という厳しい縛りだ。練習によるスコアの底上げを無効化するための鉄則である。会場で鉛筆を握る受験者たちの背中には、独特のヒリついた空気が漂う。