2006年6月に前編、同年11月に後編『デスノート the Last name』が連続公開された映画『デスノート』。前後編を合わせた興行収入は80億円超を記録し、邦画界の歴史を塗り替えました。その渦中で、第2のキラとして登場し、物語の潮目を大きく変えたのが弥海砂の実写化に挑んだ戸田恵梨香でした。
当時、戸田恵梨香の年齢はわずか17歳。連続ドラマへのレギュラー出演で頭角を現しつつあったものの、本作が記念すべき映画初出演でした。原作漫画『DEATH NOTE』(原作:大場つぐみ、作画:小畑健)における弥海砂は、圧倒的なカリスマ性を持つ雑誌モデルでありながら、自らの両親を殺害した犯人を裁いてくれた「キラ」に対して盲目的な崇拝と歪んだ愛情を捧げる、極めて多層的なキャラクターです。二次元特有のデフォルメされた造形を三次元に落とし込むハードルは極めて高く、制作発表当初は原作ファンの間で期待と懸念が激しく交錯していました。
しかし、劇場公開と同時にその懸念は完全に払拭されます。劇場パンフレットや当時の舞台挨拶で金子修介監督が「カメラが回った瞬間に放つ、天性の求心力があった」と振り返った通り、スクリーンに登場したミサミサの姿は、多くの観客の想像を遥かに超えていました。ただ容姿が似ているだけではなく、夜神月を見る瞳の無垢な輝きと、邪魔者を容赦なく死神の目で抹殺しようとする冷徹さ。この二面性を17歳の新進女優が見事に表現し切った瞬間、ミサミサは実写映画史における金字塔となりました。